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教育・福祉・労働

 

議会報告

2024年第3回定例会行われる(2024/9/4~24 )

101億2,801万5千円の補正予算を上程 第76代議長に嶋 幸一議員が就任
  大分県議会第3回定例会が9月4日(水)から24日(火)にかけて開催されました。
 開会冒頭、元吉俊博議長が体調不良で議長を辞任したことによる議長選挙が行われ、嶋 幸一議員【自民党・別府市選出】が第76代議長に就任しました。所属会派は異なりますが、同じ別府市選出の議員として嶋議長の就任を祝福し活躍を期待しています。
 上程された議案は、大規模災害に備える防災対策強化事業費などを盛り込んだ本年度一般会計補正予算案(補正額101億2,801万5千円・累計7,001億782万9千円)など31議案です。
 新規事業は、災害時の通信障害発生に備えた代替手段として、県の災害対策本部や各振興局に衛星通信機器を導入する災害時通信強化事業(585万円)。来年4月に始まる大阪・関西万博での大分県ブースの出店準備を進める大阪・関西万博出店事業(550万円)などです。
 また、2023年度会計で出た決算剰余金79億3,982万円を財政用調整基金などに積み立てます。
 その他、県が関係する各種団体の経営状況など報告34件、県行財政改革計画と県長期総合計画の策定案、一般・特別会計の決算認定案などが提出されました。
 最終日に全て賛成多数で可決されました。


2024年第2回定例会行われる(2024/6/13~28 )

1億7,181万4千円の補正予算を上程 広域交通網整備に向けた副知事人事も
 6月13日(木)から28日(金)にかけて、大分県議会2024年第2回定例会が開催されました。
 今定例会では、1億7,181万4千円の本年度一般会計補正予算案(累計6,899億7,981万4千円)が上程され審議されました。補正の内容は、国のデジタル田園都市国家構想のモデル案に採用された要介護認定業務のデジタル化に向けた事業費で、大分市・別府市と共同して取り組みます。財源は政府のデジタル田園都市国家構想交付金などが充てられます。
 開会日に行われた提案理由説明で佐藤樹一郎知事は、「増加が見込まれる要介護認定事務の迅速化と効率化を図る。地域包括支援センターの介護予防プラン策定にAI(人工知能)を導入し、最適なサービス提供につなげたい。」と述べています。
 予算外議案では、毎年5月1日を基準日とする学校基本調査の結果、県立学校及び市町村立学校の児童生徒及び学級数が確定したことによる県立学校職員定数及び県市町村学校県費負担教職員定数条例の改正案などが上程されました。なお、この春に大分市東大道に新設された県立中央支援学校の開校に伴い、県立学校職員定数は94名増えています。

 また、人事案件では、副知事として国土交通省出身の桑田龍太郎さんが提案されました。通例、副知事は2人体制ですが、厚生労働省出身の吉田一生・副知事が3月末で辞任したため、この数ヶ月、県職員出身の尾野賢治・副知事1人となっていました。
 桑田副知事は、佐藤知事が大分市長時代に副市長をされていた方で、豊予海峡ルート構想作りに関わっていたそうです。広域交通網や地域公共交通整備などの推進に向けた人事だと言えます。
 審議を行い、執行部から提案された議案は最終日に全て可決されました。

最低賃金が様々な影響を及ぼします‥
 日田市に住んでいる知人がハローワークに行ったところ、希望する専門職種では日田市より隣接する福岡県のうきは市(旧浮羽町・吉井町)の方が賃金が高かったため、不思議に思い窓口で尋ねたそうです。係の方から「最低賃金の時間額が大分県は899円なのに対し、福岡県は941円というのが影響しています。」と説明があったそうです。
 昨年10月、大分県の最低賃金はこれまでの最大の引き上げ幅となる45円上昇しました。大分県の最低賃金は福岡県、佐賀県(900円)につぐ九州3位ですが、福岡県と42円の差があります。同じように福岡県に隣接する中津市などでも、同様の理由で人材が流出しているという話が聞かれます。
 今定例会で、県民クラブでは「2024年度大分県最低賃金の改定等に関する意見書(案)」を提出しましたが、賛成少数で否決されました。
 人手不足や物価高騰が続く中、地域の人材確保、勤労者の生活、ひいては地域経済を守っていくためにも最低賃金は重要な課題であることに間違いありません。

今定例会のトピックスを紹介
 今定例会の一般質問では、農業政策、子ども子育て支援、災害対策、観光振興など様々な問題が取り上げられ議論されました。

ヤングケアラー実態調査を実施
 大人に代わって家事や家族の世話を日常的に担うヤングケアラーへの支援について、県民クラブの御手洗朋宏議員【大分市選出】が質問し、県は3年ぶりに実態調査を実施すると答弁。
 小学5年から高校3年の全児童・生徒(約7万8千人)を対象に、児童・生徒に1人1台配っているタブレット端末を使って実施します。佐藤知事は「コロナ禍を経て、子どもを取り巻く環境はさまざま変化している。対策強化の判断材料にする」と実施の意義を説明しています。

「大分県にも夜間中学は必要」大分県総合教育会議
 県民クラブが積極的に提言してきた夜間中学についても質問がありました。
 教育長は「昨年度、より詳細にニーズを把握するため県内6ヶ所で模擬教室を実施し、全県から31名の参加があった。現時点で把握している対象者は9名であるが、直近の国勢調査では県内の義務教育未修了者は9,280人いる。このような方々への教育機会の提供として、3月の大分県総合教育会議(知事・教育長・教育委員で構成)において、『大分県にも夜間中学は必要である』と結論づけた。」と答弁しました。早急の設立を望みます。

国の指示権行使は必要最小限度で
 今定例会と並行して行われていた国会において、大規模災害の発生時等に個別の法律の規定がなくても、国が自治体に指示ができるとした特例を盛り込む地方自治法改正案について、国の指示権が事実上無制限になりかねないとの心配の声が挙がり注目されました。
 県民クラブの玉田輝義議員【豊後大野市選出】が、地方自治法改正案は国と地方自治体は対等の関係という理念を揺るがすものではないかと一般質問で取り上げました。
 佐藤知事は、「新型コロナウイルス感染症の対応など想定外の事態に万全を期す観点から、法的根拠を明確にする必要性については私も理解している。しかし、全国知事会を通じて、国の指示権行使については目的達成のために必要最小限度の範囲とすることや、事前に地方自治体と適切に協議・調整を行うことを求めてきたところである。」と答弁しました。
 玉田議員は、今後、国の指示権の拡大によって、県民への説明がないまま事業が進められることが起きるのではないかと指摘しました。


有給インターンシップ制度を導入
 県の技術職員は、県内に専門学部がないなどの理由で獣医師や薬剤師をはじめ採用が困難となっている職種が多く、その人材確保は喫緊の課題となっています。
 インターンシップ(職業体験)から就職につなげる目的で、県では昨年度、土木技術者を対象とした有給インターンシップを試行。6名が募集に応じ、最長3週間にわたり学生を雇用し、非常勤職員と同額の報酬を支給したとの報告がありました。今年度は保健師や林業職など8職種に拡大し、7月末から9月末まで受け入れるとしています。


2024年第1回定例会行われる(2024/2/26~3/27)

佐藤知事「人口減少対策、産業の振興、未来へつなげる投資」
 2024年第1回定例会が2月26日(月)から3月27日(水)にかけて開催されました。
 佐藤樹一郎知事が就任後初めて組んだ当初予算案は総額6,898億800万円。新型コロナウイルス対策事業が大幅に減ったことで11年ぶりに前年度を下回りました。
 県税収入は1,375億円と過去最高を見込んでおり、佐藤知事は会見で「誰もが安心して元気で活躍できる県づくり、未来に向けて発展するための予算をバランスよく編成できた。財政運営の健全性は維持する。」と述べています。
 2月29日(木)には先議案件として補正案も示されました。会期中には当初予算案を集中審議する予算特別委員会も行われ、閉会日に全て可決されました。
 また、閉会日には、新たな副議長の選出、常任委員会の委員選出と正副委員長の選出、議会運営委員会の委員選出と正副委員長の選出などが行われました。私は2023年度に引き続き土木建築委員会に所属することになりました。
【写真は知事による予算説明会の様子です】

2024年度の新規事業を紹介
 分野別に特徴的な
新規事業を紹介します。なお、赤字は意欲的な新規・重点事業を盛り込んだ特別枠「新おおいた創造挑戦枠事業」(133事業・28億4,400万円)です。黒字は既存事業ですが、一部新規事業が含まれています。  ( )は予算額

【医療・感染症対策】
 
新興感染症等対策推進事業(8,258万円)では、感染症発生の予防及びまん延防止の施策を講じるため医療提供体制や検査体制を整備するとともに、人材確保・育成を行います。
 今後発生が懸念される新興感染症等に対応するため
衛生環境研究センター機能強化事業(3,246万円)では、衛生環境研究センターの検査体制を強化します。
 こども医療費助成事業(13億510万円)では、子育て家庭の経済的負担を軽減するため医療費の助成対象を高校生まで拡大します。

【教 育】
 
遠隔教育システム構築事業(1億85万円)では、多様で質の高い高校教育を提供するため、専門科目を実施する学校から地域の学校に双方向の遠隔授業を配信する遠隔教育システムの整備を行います。古い人間なのかもしれませんが、遠隔教育と聞いて、ちょっと違和感を覚える原田です‥
 教職員の部活動指導の負担軽減と経験者による指導の充実を図る学校部活動改革サポート事業(7,489万円)は、部活動指導員 145人(公立中学校129人、県立高校16人)を配置。また、総合型地域スポーツクラブ等と連携し、部活動の地域移行等に取り組みます。
 保護者の経済的負担を軽減するため
県立学校給食費無償化事業(3,632万円)で、給食を実施する県立学校(特別支援学校、定時制高校、盲学校、聾学校及び豊府中学校)の給食費を無償化します。全ての市町村立学校や私立学校でも実施してほしいですね。

【農 業】

 
大規模園芸団地整備促進事業(5,642万円)では、県市町や関係団体が一体となって大規模園芸団地の整備を進めるため、モデル団地の整備など計画的な団地化に取り組みます。
 「おおいた和牛」の生産基盤強化とブランド力向上を図るため
おおいた和牛産地強化対策事業(1,943万円)は、全国和牛能力共進会での日本一獲得に向けた推進体制を構築するとともに、優れた出品牛造成の取り組みを支援。
【写真は、一番人気の種雄牛・加代白清号(農林水産部畜産技術室提供)】
 放牧経営の新規参入や規模拡大に取り組む事業者に対し、国際情勢の影響を受けやすい畜産飼料対策として
自給飼料基盤活用推進事業(2,103万円)を進めます。

【防災・土砂災害対策】
 河川水位上昇時に住民の早期避難を促すため
洪水時危機管理体制強化事業(2,900万円)では、「注意・避難・危険」と記した水位表示マークの設置と監視カメラで水位の上昇を視覚化します。
 県土強靱化関連公共事業(268億9,530万円)道路改良事業(150億1,188万円)などの公共事業も計上されています。

【環境・資源・エネルギー】
 
温泉資源適正利用推進事業(2,242万円)では、温泉資源保護を図るため、新規掘削を規制する離隔距離(泉源の間隔)等の見直しに向けた温泉資源量調査を実施します。
 昨年度から進められているグリーン・コンビナートおおいた創出事業(1億3,560万円)は、大分コンビナートのカーボンニュートラルと持続的発展に向け、水素利活用やカーボンリサイクルの実証実験等を支援します。
 水素の製造から運搬、利活用に関わるモデル構築に向けた調査の実施、地熱利用の設備導入に対して助成するエネルギー関連産業成長促進事業(2億4,859万円)を予算化。

【交 通】
 2024年問題に対応するため
自動車運送事業者乗務員確保対策事業(5,247万円)では、地域公共交通の運行や物流を担うトラック輸送の維持対策として、バス、タクシー、トラックの自動車運送事業者等が行う乗務員確保の取り組みを支援します。
 
公共交通EV車両導入支援事業(9,232万円)では、燃料費高騰への対策や2050年カーボンニュートラルの実現に向け、公共交通事業者が行うEV車両導入等の取り組みを支援します。
 東九州新幹線や豊予海峡ルート(四国新幹線等)の実現に向け
東九州新幹線等広域交通推進事業(2,335万円)では、新幹線の整備計画路線への格上げなどを図るため、国への要望活動や九州・四国の関係機関と連携したシンポジウムを開催します。

【働き方改革・人材確保・DX注1
 多様な人材が意欲・能力を十分に発揮できる魅力ある職場環境づくりを推進するため
働き方改革推進・支援事業(2,159万円)では、企業の働き方改革を後押し、男性育休取得の促進に取り組む中小企業を支援します。
 中小企業の人材確保を推進するため
中小企業採用力強化事業(769万円)では、SNS等を活用した企業の魅力や就職情報を発信する手法を学ぶためのセミナーを開催し、県の媒体等を活用した情報発信を支援します。
 
中小企業等DX促進事業(1,981万円)は、中小企業のデータ経営の普及に向けた支援人材を育成する事業です。
【注1】DX(デジタルトランスフォーメーション)とは‥
 インターネットでの買い物などのように、進化したIT技術を利用し、生活や仕事の質や効率性を高めること。


2023年第4回定例会行われる(2023/11/27~12/13)

物価高対策、国土強靱化に注力、原田 一般質問に登壇
 大分県議会2023年第4回定例会が11月27日(月)から12月13日(水)にかけて行われました。
 開会日に提案されたのは、県職員や知事・県議の給与や報酬などを引き上げる条例の一部改正案、ホーバークラフトのターミナルを設置する条例制定案、パトカーとの衝突事故で重い障害を負った男性への和解案などでした。
 また、国の補正予算が11月29日(水)に成立したことを受けて、12月4日(月)には総額358億円3,650万円(累計7,796億7,201万円)の一般会計補正予算案(12月補正)が提案されました。
 内容は、物価高対策に計23億4千万円。LPガス利用者に対し1契約当たり1,500円の助成。燃料の高騰で経営が厳しい乗合バスやタクシーへ燃料費の一部を補助する事業を来年4月末まで延長します。
 また、飼料の値上がりや子牛価格の下落に苦しむ牛の繁殖農家への緊急支援。人材確保が厳しい介護職員や看護補助者の賃金引き上げ経費として月額6千円を助成。
 補正の大半を占める国土強靱化関連(285億9,360万円)では、緊急輸送道路の整備や砂防ダムの建設、ため池の耐震化などを進めます。
 13日(水)の最終日に全て原案通り可決されました。

原田、一般質問報告
 12月5日(火)、原田が一般質問に登壇しましたので、その内容を報告します。
1.財政状況について

 新型コロナウイルス感染症が拡大したこの3年間、感染症対策の交付金などにより、自治体の財政と事業は感染症対策が優先されました。感染症が落ち着きはじめ、必要な事業を進めるためにも、これからの財政運営を注視しておかなければなりません。
 そこで、佐藤知事へ大分県の財政状況をどのように捉え、その課題はどのようなものと考えられているのか、そして、災害や物価高騰など思わぬ支出が必要となる事態への備えも含め、安定的な財政運営の方針をどのように考えているのか尋ねました。


【答弁 佐藤知事】 現在の財政状況について、各種の財政健全化指標はいずれも健全な状況である。貯金にあたる財政調整用基金の残高は、社会保障関係費の増加等もあるが、実質的な県債残高とともに、安定的な財政運営に必要な水準を確保できるものと見込んでいる。
 必要な施策には果敢に取り組む一方で、引き続き、将来にわたって持続可能な財政運営が行えるよう、確固たる行財政基盤の構築に努めていきたい。

2.県職員及び教職員の確保について
(1)県職員の確保について
(2)教職員の確保について
 今、分野を超えて大きな問題となっているのが「人手不足」です。県でも県職員、特に獣医師や薬剤師など専門的な技術職について、従前からその確保が大きな課題となっています。
 同様に、教職員不足も大きな問題です。例えば佐賀県では教職員の採用試験を春だけでなく秋にも行い年2回となっています。本県でも柔軟性のある採用の機会を設けることを検討してはどうかと提案しました。

3.コロナ禍での諸課題への対応について
(1)新型コロナ感染症対策の総括について
(2)コロナ禍での観光誘客の総括について
 感染症法上の位置付けが2類相当にあった間、病床や人材、医療用物資の不足などの問題にどのように対処したのか、コロナ感染症対策の総括を求めました。
 また、観光誘客について、コロナの感染拡大状況下での課題にどのように対処したか、観光県としての復興に向けどのような戦略で臨むのかを質問しました。


【答弁】 2類相当にあった3年2ヶ月の間、感染拡大局面では、大分市内を中心にコロナ病床が不足する事態が生じた。このため、広域の入院調整を行いながら、最大578床まで病床を増やすとともに、宿泊療養施設として最大で1,370室を確保した。
 現在策定中の感染予防計画では、これまで得られた知見をもとに、病床数など具体的な数値目標を盛り込むなど、新たな感染症対策に万全を期していきたい。

4.災害対策について
(1)土砂災害防止対策について
(2)空き家の適正管理について
(3)避難所運営について
(4)災害時のデマ情報への対応について
 土砂災害による人的被害を防止するために、土砂災害警戒区域の周知等を含め、土砂災害防止対策にどのように取り組んでいくのか質問しました。
 また、車中泊避難について、国はエコノミークラス症候群が発生する危険性があるとして推奨していません。一方、「避難所は人が多く落ち着かない」、「子どもや高齢者、ペット等が一緒のため避難所では気を遣う」と車中泊避難を選択される方もいます。
 エコノミークラス症候群を予防し、かつ、快適に車中泊避難できる方法の研究や実験を検討しても良いのではないかと提案しました。


【答弁】 土砂災害警戒区域内の住宅の販売に関しては、宅地建物取引業者が、重要事項として、買主に説明をすることが義務づけられている。
 また、宅地分譲等の目的で開発が行われる場合、土砂災害のおそれがある箇所に対し、適切に対策工事が行われる計画であるかを厳密に審査している。
 車中泊避難場所の運営・管理方法や支援については、現在、国も検討を進めており、こうした動向も注視しながら、さらに安全安心な避難所等の環境改善に努めたい。

5.教育行政について
(1)教職員の異動方針の見直しについて
(2)夜間中学について
 小中学校の教職員の異動に関して、これまでの「採用から概ね10年3地域」の広域異動は、負担感から他県に人材が流出する要因になっているという指摘があり、昨年10月に今春の異動方針の見直しが発表されました。
 今回発表された教職員の異動方針の見直しの考え方と内容を質問しました。


【答弁 岡本教育長】 教職員の異動については、採用から概ね10年以内に異動する人事地域数を、現行の3地域から2地域とし、配置年数についても職員個人の事情に応じて柔軟に対応するよう見直しを行った。
 さらに、職員が将来的に人事管理を希望する市町村など、個々の職員の希望や事情等をより詳細に把握することとした。

6.枯葉剤原料の国有林での埋設について
 猛毒のダイオキシン類を含んだ「2,4,5-T系除草剤」は、枯葉剤の原料で、染色体異常を引き起こす非常に危険なものです。この「2,4,5-T系除草剤」が、全国15道県42市町村の国有林に計約26トン埋設されていることが明らかになっています。県内でも別府市の十文字原の国有林に75kgの除草剤がセメントで固められたコンクリート塊として埋められています。
 そこで、別府市に埋設されているこの危険な除草剤の撤去について、撤去に向けた調査が今後どのようなスケジュールで行われるのか、また、県としてはどのようにお考えているのか質問しました。


【答弁】 地域からのご心配の声も踏まえ、県では9月に九州森林管理局に出向き、早期の撤去を要望した。
 国の動向を引き続き注視しつつ、早期撤去等に向けて国に粘り強く働きかけていく。


2023年第3回定例会行われる(2023/9/19~10/4 )

佐藤樹一郎知事「原型復旧はもとより、再度災害防止に向けた機能強化を図る
 9月19日(火)から10月4日(水)にかけて大分県議会2023年第3回定例会が行われました。
 本年6~7月に県内を襲った大雨による災害復旧費101億2,823万千円を盛り込んだ総額192億2,450万円の一般会計補正予算案など21議案が上程され、最終日に全て可決されました。(本年度の累計は総額7,438億3,550万円)

 県北部と西部を中心に被災した河川や道路、漁港などの本格的な復旧・復興に着手するとともに、一部の河川は再発防止に向けて改良工事も進められます。
 佐藤樹一郎知事は提案理由説明で「災害復旧では、原形復旧はもとより再度災害防止に向けた機能強化を図っていきたい。また、新たな行財政改革計画についても策定を進め、確固たる行財政基盤の構築に努めていきたい。」と述べています。
 また、最低賃金が大分地方最低賃金審議会の答申通り、現行から45円引き上げ899円となったことが報告され、「県として企業の生産性向上や原材料費や燃料費等の上昇分を適切に価格転嫁できる環境づくりを支援する。」と述べています。
 財政面では、2022年度の決算剰余金を財政調整用基金などに積み立て、本年度末の財政調整用基金残高は329億円となる見込みとなります。行革目標は330億円ですが、目標に近づいていることは評価できます。

今定例会で提案されている新規事業を紹介
 
土木施設災害復旧事業(74億5,400万円)は、国道212号など道路32カ所、中津市の山国川護岸など河川194カ所を修復します。中津市の小祝漁港の海底の土砂の除去を行う漁港災害復旧事業(3億6,000万円)、由布市湯布院町畑倉地区での地滑り対策を行う緊急地すべり対策事業(2億4,750万円)、日田市の小野川の護岸のかさ上げを進める河川災害関連事業(1億8,930万円)などの改良工事などの予算がつけられました。
 
文化財保存事業補助事業(183万円)は、被災した国指定重要無形文化財である日田市の小鹿田焼の唐臼(写真)、県指定有形文化財の中津市の羅漢寺橋の欄干などの修復を助成。
 また、運輸業で残業規制が強化される「2024年問題」に対応するため、トラック事業者の経営改善を支援する
貨物自動車運送業環境改善緊急支援事業(3億2,581万円)を進めます。

大分市東大道に新たに大分県立中央支援学校
 予算外議案では、大分市東大道に新たに開校する大分県立中央支援学校設置に向けた条例の一部改正案が可決されました。

県民クラブから2本の意見書案を提出
 今定例会では、県民クラブから「陸上自衛隊大分分屯地に新設する火薬庫への長距離射程ミサイルの保管に反対する意見書(案)」と、「健康保険証の存続を求める意見書(案)」の2本の意見書案を提出しました。
 大分市敷戸にある大分分屯地の火薬庫増設計画により、「有事の際に攻撃対象となる可能性」や「火災や事故の際の被害範囲の拡大の危険性」が高まるのではないかという地域の方々の不安の声を受け止め提出しました。
 また、マイナンバーカードを健康保険証として利用することは否定しませんが、マイナンバーカードの運用トラブルが続々と報告される中で、システムの総点検を行うとともに、これまでの健康保険証も存続すべだと考え意見書案を提出しました。
 最終日の採決では、残念ながら賛成少数で採択されませんでしたが、大事なことや必要な事は言い続けていきます。


2023年第2回定例会行われる(2023/7/5~8/2 )

「安心元気」「未来創造」 ~佐藤新知事、所信表明~
 7月5日(水)から8月2日(水)にかけて第2回定例会が行われました。また、会期中には、予算案を集中審議する予算特別委員会が開催されました。


 開会の冒頭、佐藤樹一郎知事が下記のように所信表明を行いました。

 当面する課題にしっかり対応し、力強い推進力で大分県を新たなステージへと発展させていきたい。そのため、「対話」「継承・発展」「連携」という3つの基本姿勢を徹底した上で、「安心元気」「未来創造」を県政執行の方針とし、誰もが安心して住み続けたい大分県、知恵と努力が報われる大分県、誰もが訪れたい大分県づくりに全力を尽くしたい。
 また、安定的な財政運営に向け行財政改革を徹底し、確固たる財政基盤構築に努めたい。

「コロナ禍で失った元気を取り戻す」
 今定例会、佐藤新知事は政策的な事業を計上する「肉付け予算案」を提案。
補正額は472億5,900万円で当初予算を含めた総額は7,246億1,100万円となり、過去最大となっています。
 コロナ禍で疲弊した地場産業の振興、喫緊の課題である物価高騰や人口減少等の対策にも配分されており、知事のやりたいことが示された予算案だと感じています。
 知事による予算説明の際には、「コロナ禍で失った元気を取り戻し、若者が誇りを持てる大分をつくっていく第一歩として、しっかりした予算が組めた」と言われていました。

長期総合計画を前倒し刷新
 また、県政の指針である長期総合計画「安心・活力・発展プラン2015」(20年に改訂版策定、24年度末終了予定)について、時代の変化に即した行政運用を図るため、その終了を待たず、有識者会議を立ち上げ新たな計画策定作業に入ることを表明しました。

尾野賢治副知事再任
 
開会日には、7月5日で任期満了を迎える尾野賢治副知事の再任案も審議し、全会一致で同意しました。任期は6日から4年間となります。

新規事業を紹介
 今定例会で可決された事業の中から、新しい視点の政策立案をめざす特別枠
「新おおいた創造・発展枠事業」(66事業・21億800万円)赤字で表記)を中心に、分野別に特徴的な新規事業(青字で表記)を紹介します。黒字は継続事業ですが、一部新規事業が含まれています。( )は予算額
【人口減少・移住】
 
若年者移住サポート事業(3,794万円)は、若年層の移住を促進するため、「転職なき移住」の推進に向け、都市圏のリモートワークが可能な企業等に対する働きかけを強化し、ニーズにあった情報発信や移住に向けた転職支援を行います。
 近隣に産婦人科医療機関のない妊産婦が安心してこどもを産むことができるよう、
妊産婦健診等支援事業(388万円)では、健診や出産に要する交通費や宿泊費を補助する制度を創設します。
【エネルギー】
 中小企業等のカーボンニュートラルへの対応を図るため、エコエネルギーの導入に対する支援として
中小企業等エコエネルギー導入支援事業(4億2,500万円)を進めます。
 地域への再生可能エネルギーの導入を推進するため
地域再生可能エネルギー導入推進事業(4,3600万円)では、高効率給湯器を導入する一般家庭等に対する助成や、県有施設への再生可能エネルギー導入に取り組みます。
【資源・環境保護】
 温泉資源の保護と適正利用を推進するため、
温泉台帳電子化事業(1,146万円)では、温泉データの効率的・効果的な活用により、温泉台帳の電子化に取り組みます。
 
広域景観保全・形成推進事業(425万円)は、良好な広域景観の保全・形成を図るため、市町村や地域と協働して各エリアの景観形成基準の見直し等を行います。
【医療・福祉】
 在宅療養ニーズの増加に対応するため、
訪問看護強化事業(759万円)では、訪問看護ステーションの拡充の支援と、訪問看護人材の確保を行います。
 こどもの居場所を確保し、貧困の早期発見等に繋げるため、子どもの居場所づくり推進事業(500万円)では、こども食堂が実施する環境整備等に対し助成します。
【農林水産】
 持続可能な中山間地農業の確立のため、
中山間地営農経営体強化対策事業(9,697万円)では、集落営農組織等の収益構造の改革や大規模経営体による連携・統合を支援します。
 
ヒラメ養殖業成長産業化支援事業(4,183万円)は、ヒラメ養殖業の成長産業化を推進するため、他魚種と同様の治療薬の承認拡大と、省力化に向けたスマート技術開発を行います。
【写真は、成長を早める効果があるという緑色のLEDライトを照らしているヒラメ養殖場の様子(津久見市鳩浦)】
【教 育】
 地域の高校において多様な進路選択に必要な教科探究力を向上するため、大学と連携した特別講座等を実施する
地域における個別最適な学び推進事業(1,033万円)を実施。
 来年度、北部九州ブロックで開催される全国高等学校総合体育大会における本県代表校及び選手の入賞に向け、
全国高校総体競技力向上対策事業(1,868万円)は、高校生を対象とした競技力向上対策を進めます。
【物価高騰対策・地域経済活性化】
 エネルギー価格の高騰による市民生活への影響が大きいことから、LPガスの一般消費者や特別高圧契約で受電する中小企業に対して支援する
LPガス等価格激変緩和対策事業(20億6,500万円)では、一般家庭(約35万軒)にも1契約あたり3,000円補助します。
 地域経済の活性化を図るため、
地域消費喚起プレミアム商品券支援事業(20億1,000万円)によりプレミアム付商品券を発行する商工会・商工会議所等に対して、市町村と連携して取り組みます。
【DX(デジタルトランスフォーメーション)推進】
 中小企業等のDX注1化の第一歩を後押しし、各社の課題を解決するため、
中小企業等デジタルスキル向上支援事業(3,165万円)は、即戦力となるデジタル人材の育成とデジタルツール導入をワンストップで支援します。
 
行政DX推進事業(1,670万円)では、県と市町村が連携し、利便性を高めるため市町村行政のDXを推進するとともに、行政DXの担い手となる職員を育成します。


2023年第1回臨時会行われる(2023/5/18~19 )

正副議長選出、原田は土木建築委員会
 5月18日(木)と19日(金)に改選後初めてとなる第1回臨時会が開催されました。
 臨時会では議席の決定後、正副議長の選出、議会運営委員会や常任委員会などが決定しました。原田は久しぶりに土木建築委員会に所属することになりました。
 開会前には佐藤樹一郎・新知事が「県民の幸せのため日々全力で、粉骨砕身の覚悟で県政を運営していく」と挨拶しました。所信表明と「肉付け予算」案審議は第2回定例会で予定されています。
【写真は、議長選の投票の様子】


2023年第1回定例会行われる(2023/2/27~3/17 )

広瀬知事「豪雨で被災した地域の復興、子ども子どもの居場所づくり、先端技術の活用などできるだけやり残しのないよう臨んだ」
 2月27日(月)から3月17日(金)にかけて大分県議会2023年第1回定例会が開催されました。
人件費など恒常的に支出が必要な義務的経費と、22年度からの継続事業が中心となるいわゆる「骨格予算」として総額6,773億5,200万円の予算案が上程。これは、2022年度に比べて404億8,900万円(5・6%)の減であるものの、広瀬県政で3番目に大きい規模です。
 歳入では、県税や国からの地方交付税は増える見通しで、貯金に相当する財政調整用基金は50億円を取り崩し、残高は2023年度末で約286億円の見込みとなります。また、借金に当たる県債残高のうち、交付税措置のある臨時財政対策債を除いた実質的残高は約6,063億円で、行革推進計画の目標である6,500億円以下を維持しています。

 例年、政策的な事業は予算特別枠として上程されていますが、今年度は新知事のもと6月に開催される第2回定例会において、「肉付け予算」として補正案が上程されることになります。

 最後の当初予算編成となった広瀬知事は、「豪雨で被災した地域の復興、子どもの居場所づくり、先端技術の活用などできるだけやり残しのないように臨んだ。(次の知事が補正予算を編成しやすいよう)財政の健全性も確保した」と記者会見で述べています。

 また、予算外議案では、発電所のリニューアルなどに伴い企業局の職員定数を15人増やす条例改正案、2031年度までに職員の定年を65歳まで段階的に引き上げることに伴い、退職手当支給の安定的な経費確保に向けた基金創設案、幼児の通園バスで点呼等による所在確認やブザー等の見落とし防止装置の設置を義務づける児童福祉施設の基準を定める条例の一部改正案、自転車通学生のヘルメット着用の努力義務を全ての自転車利用者に拡大する道路交通法を踏まえた関連条例の一部改正案などが上程され、最終日に全て可決されました。

2023年度の新規事業を紹介
 今定例会では、新型コロナウイルス感染症対策のほか、先端技術の活用や子ども・子育て支援、防災・減災対策といった喫緊の課題に対応するため、より早期の効果発現が求められる新規事業が提案されました。
 その中から、分野別に特徴的な新規事業を紹介します。 ( )は予算額

【福祉・子育て支援】
 昨年度から始まったヤングケアラー等支援体制強化事業(2,772万円)の中で、新規事業として市町村等を支援する専門アドバイザーの配置を進めます。これは、戸別訪問による家庭状況の把握等を行う14の市町村へ助成するものです。
 妊娠届出時からの伴走型相談支援を行う伴走型出産・子育て応援事業(10億2,738万円)では、新たに妊娠届出時に5万円、出生届出時に新生児1人あたり5万円を給付します。

【医 療】
 2024年からは医師にも時間外労働規制が適用されるため、医療機関の働き方改革推進事業(1,796万円)では特定行為看護師などに医師の業務の一部を任せる業務移管(タスクシフト)など働き方改革を支援します。
 循環器病対策推進事業(1,021万円)は、健康寿命の延伸を図るため、主要死亡原因である脳血管疾患や心疾患などの循環器病対策を行います。

【エネルギー・脱炭素社会実現】
 産業界の脱炭素化の動きに対応する「グリーン・コンビナートおおいた」の実現を目指すため、グリーン・コンビナートおおいた創出事業(4,104万円)では次世代エネルギーや炭素循環マテリアル等の拠点化に向けた調査や企業間連携プロジェクト案の編成等に取り組みます。

【生活環境】
 市町村が行う上水道の漏水調査を効率化し、漏水率の改善と水道の基盤強化を図るため、衛星画像を用いた水道管の漏水判定を実施する衛星画像活用水道管漏水調査支援事業(9,900万円)。県は責任を持って取り組み、近い将来に市町村へ事業負担を押しつけるようなことがないように注視していきます。
 プラスチックごみ削減推進事業(2,488万円)は、海洋プラスチックごみの発生源調査や参加型ペットボトルキャップ回収運動の実施など県民・事業者・行政で取り組みます。

【商工業】
 地域課題の解決と県内産業の振興を図るため、AI活用促進事業(4,394万円)でAIの活用に向けた普及・啓発、相談体制の強化、事業化伴走支援を行います。
 飲食店等デジタルマーケティング活用支援事業(599万円)では飲食店や小売店等の売上拡大を図るため、デジタルマーケティングを活用した販売促進の取り組みを支援。
 ポートセールス推進加速化事業(2,821万円)は、大分港(大在地区)など県内港の活性化を図るため、利用促進・集荷推進対策などのポートセールスに取り組みます。
 IT関連企業等のサテライトオフィスの誘致を推進するため、サテライトオフィス誘致推進事業(2,380万円)では進出を希望する企業と市町村のマッチングを新たに行うとともに、民間事業者が行うサテライトオフィス整備を支援する市町村に助成します。

【農林水産】
 増加する加工ニーズに対応し、ブリ類養殖業の経営安定化と成長産業化を図るため、養殖ブリ加工施設整備事業(15億2,160万円)は県漁業協同組合が行う養殖ブリの産地加工処理施設の整備を支援します。
 振興局も、かんしょ産地サル被害対策実証事業(450万円)【中部振興局】、臼杵干潟アサリ復活プロジェクト事業(423万円)【中部振興局】に取り組みます。

【文化・スポーツ】
 芸術文化活用交流促進事業(1,666万円)は、東アジア文化都市2022大分県の開催を契機に、芸術文化国際交流の機運をさらに高めるため、中国・韓国との文化交流に関するサポーターの設置など芸術文化団体による都市間交流等を支援します。
【土 木】
 来春、福岡県との共同開催で大分県で展開されるデスティネーションキャンペーン(DC)に備え、おもてなしの道路等環境整備事業(1億635万円)では観光客等へ安全かつ快適な道路環境等を提供するため、観光地等を結ぶ主要路線の草刈や支障木伐採等を行うとともに、県管理トイレの修繕を行います。

【防 災】
 防災ヘリコプター更新事業(債務負担行為として22億5,023万円)は、飛行安定性を確保した二人操縦士体制を確立し、救助活動の効率化や事故の未然防止を図るため、防災ヘリコプター「とよかぜ」の機体を更新します。
 ※債務負担行為とは、将来にわたる支出をあらかじめ約束することで、実際に支出する場合には予算案が計上されます。【写真は防災ヘリコプター「とよかぜ」

【地域活性・観光】
 日田彦山線BRT「ひこぼしライン」の今夏の開業を契機に、沿線地域の振興を図るため、日田彦山線BRT地域振興支援事業(1億361万円)は地域住民の作成した地域交流拠点の整備などの将来ビジョンの実現を支援する地元市に対し助成します。
 東部海水浴場を核とした活性化推進事業(546万円)【東部振興局】、デジタル活用佐伯の魅力再発見事業(501万円)【南部振興局】、
酒蔵を活用した地域活性化事業(499万円)【豊肥振興局】、ものづくりの街日田活性化事業(500万円)【西部振興局】、宇佐駅機能強化地域・観光活性化事業(500万円)【北部振興局】など振興局も地域活性事業を進めます。

【教 育】
 未来を拓く先端技術活用人材育成事業(1,1129万円)は、情報科学高校にデジタル創造科を新設、大分工業高校電子科の定員倍増の他、県立高校でデジタル人材育成講座を実施。
 教員を確保するため、SNS等を活用した教員の魅力を発信する広報活動等を強化する教員確保に向けた魅力発信事業(224万円)は正直なところ疑問です。このような事業より、教職員不足の原因である多忙化の解消に向けた支援が必要だと私は考えます。

【行政改革】
入札関連手続電子化事業(9,323万円)は、県・市町村及び事業者の物品・役務に係る入札関連手続の事務負担軽減を図るため、共同で利用する電子入札システム及び入札参加資格電子申請システムを開発・導入します。


2022年第4回定例会行われる(2022/11/28~12/14 )

原田、一般質問に登壇 広瀬知事は今春で勇退を表明
 大分県議会2022年第4回定例会が11月28日(月)から12月14日(水)にかけて開催されました。
 広瀬勝貞・大分県知事は、提案理由説明での冒頭、今春の知事選に立候補しないことを報告。知事就任期間中、少子化対策など県の課題に取り組んできたこと、残りの期間も大分県発展のために取り組んでいくと語りました。
 予算議案は、10月から販売を開始した「新しいおおいた旅割第2弾」が好調なことから、割引原資として国からの補助金を活用して26億円の追加の補正案を上程。
 予算外議案は、大分県立病院における一般医療と感染症医療の両立体制を強化するための医師・看護師・臨床工学技士など職員定員の増員を行う大分県職員定数条例の一部改正案。人事委員会の勧告を基にした職員の給与に関する条例等の一部改正案など15議案が上程されました。
 12月5日(月)には物価高騰の負担軽減や観光活性化策などを盛り込んだ本年度一般会計補正予算案(補正額400億2,107万2千円・累計7,747億1,711万円)が追加提案されました。併せて、決算特別委員会の2021年度決算関連議案の審査結果について「事務事業などは議決の趣旨に沿っておおむね適正な執行がされ、総じて順調な成果を収めている」と報告され、認定されました。
 最終日に全て可決されました。

原田、一般質問に登壇
 
12月5日(月)、原田が一般質問に登壇しましたので、その内容を報告します。

 1 教育行政について
(1)教員の人材確保について(知事:教育委員会)
(2)教育現場における再任用について(教育長:教育委員会)
(3)特別支援学級の学級編制について(教育長:教育委員会)
 本県では、教職員の大量退職に伴う大量採用が行われているものの、受験者数の減少とともに受験倍率も低下し、採用予定数の確保自体が困難な状況にあります。現在でも教職員の欠員状況が起きていて、年度途中の病休、産・育休者の代替確保も困難です。
 本県では、教職員に「採用から概ね10年3地域(10年間で3地域で勤務)」の広域異動が実施されています。これは教育改革の一環として2012年度に導入されたもので、周辺部の教職員確保などに効果がある一方、その負担感から他県に人材が流出する要因になっているという指摘があります。
 10月に開催された広瀬知事と県教育委員による大分県総合教育会議では、教職員の人材確保や育成について意見交換が実施されましたが、広瀬知事は「制度を維持しながら、教職員の負担感がなくなるよう改善してはどうか」と見直しを提案しています。
 周辺部の教職員不足を解消するためには、広域異動が必要な面もありますが、現行制度はあまりにも負担を強いていますから、私は見直しが絶対に必要だと考えています。
 こうしたことを踏まえ、教職員の人材確保及び育成についてどのように考えているのか知事に質問しました。また、教育長に広域異動について具体的にどのように見直していくのか、スケジュール面も含め質問しました。

【答弁 広瀬知事】 大量退職期を迎える中、教職員の人材確保は喫緊の課題である。1次試験の免除拡充や他県教諭特別選考などを行っているが、教育委員会にはさらなる工夫をしてもらいたい。10年の間に何度も広城異動を繰り返すことは、教職員への負担が大きいということも聞いている。
 広域異動の制度を維持しながら、教職員の負担感を軽減するよう改善する必要があるのではないかと指摘したところである。教育委員会には市町村教委の意見も聞きながら魅力的な職場環境の構築に向け検討を進め、できるだけ早く結論を出してもらいたいと考えている。
【答弁 岡本教育長】  来年1月に予定する市町村教育長会議を皮切りに、できるだけ早く検討を進めたい。

2 新年度予算に向けた歳入の確保について(部長:総務部)
 来年度の予算編成は、当面は骨格予算、そして新しい知事のもと肉付予算ということになります。
 今年度の予算は、いつもとは違う予算編成でした。当初、私はコロナ禍により県税収入は落ち込むのではないかと考えていましたが、県税収入は企業の業績回復などで法人2税と地方消費税が伸び、過去最高の1,298億円と見込んでいます。しかし、半導体の供給不足、原材料や原油価格の高騰、急激な円安など社会経済状況の不安要素が多く存在することから、これからの財政運営の見通しは、とても厳しくなるのではないかと考えます。
 来年度の予算編成に向け、県税収入や地方交付税をどのように確保し、財政調整用基金残高とのバランスをどう保っていく方針なのか質問しました。

3 医療や高齢者を巡る諸課題について

(1)オンライン診療について(部長:福祉保健部)
(2)後期高齢者医療制度について(部長:福祉保健部)
(3)認知症高齢者等の安全・安心対策について(部長:福祉保健部)
 オンライン診療は医療機関が少ない周辺部の地域で展開されるものと思っていましたが、大分市や別府市などでも始まっています。私も一度オンライン診療を受けてみようと申し込み、先日診療を受けました。
 オンライン診療は別途料金がかかりましたが、とても便利でした。私の場合、診療は夕方の18時からでしたので、なかなか仕事を休めず薬を切らしてしまうような勤労者の方々も、仕事に影響なく受診できる仕組みだと感じました。
 そこで、本県でのオンライン診療推進への取り組み状況とその課題について質問。
 また、県内8市町村で実施されている認知症高齢者等個人賠償責任保険の負担について、全ての市町村で実施されるよう求めました。

4 SNS上の誹謗中傷対策について(部長:生活環境部、教育委員会協議)
  SNS上での誹謗中傷事案に対し、被害者支援等に関する条例が全国で作られつつあります。本県でも条例ができるように取り組んでいきたいと考えています。
 【活動報告の木村響子さんの講演会を御覧ください】

5 地域公共交通について
(1)地域公共交通を巡る計画の策定について(部長:企画振興部)
(2)持続可能な地域公共交通ネットワークの構築について(部長:企画振興部)
 現在、多くの地域で人口減少の本格化に伴い、バスをはじめとする公共交通サービスの需要の縮小や経営の悪化、運転者不足の深刻化などにより地域の公共交通の維持・確保が厳しくなっています。他方、高齢者の運転免許の返納が進むなど、受け皿としての移動手段を確保することがますます重要な課題になっています。
 本県では県内を6圏域に分け、持続可能な公共交通ネットワークの構築を目指し、「地域公共交通網形成計画」及び「地域公共交通再編実施計画」を策定しています。それを具体的に実施するためにも、基礎自治体での地域交通に関するマスタープランとなる計画「地域公共交通計画」の策定が必要であると考え、県内市町村の現状とこれからの進め方について質問しました。
 併せて、乗り物本体を自治体が購入し、運営を民間業者が行うという上下分離方式を用いて、カーボンニュートラル
注1)として水素燃料電池バスを導入するなどの方法もあるのではないかと提案しました。

(注1)カーボンニュートラルとは‥
 工場や車などから出る地球温暖化を引き起こす温室効果ガス(二酸化炭素、メタンやフロン類などのガス)の排出量から森林などによる吸収量を差し引いて、全体としてゼロにする取り組み



2022年第3回定例会行われる(2022/9/7~26)

広瀬知事「対策が事業者まで迅速・確実に届くよう、遺漏なく対応していく」
 9月
7日(水)から26日(月)にかけて、大分県議会2022年第3回定例会が開催されました。素案の段階では27日(火)が最終日となっていましたが、同日は安倍晋三元首相の国葬と重なり、執行部や議会から参列者が出る可能性もあるとして開会日に変更されました。
 予算議案として、補正額92億898万円の一般会計補正予算案(既決予算額7,228億8,944万円)など29議案が上程されました。内容は、原油や物価の高騰が影響する企業や社会福祉施設への支援策。中小企業・小規模事業者の事業継続と雇用維持として、県制度資金に1千億円の新規融資枠を設定し今後の資金需要に備えるとしています。
 一般議案では、職員定年引き上げなど新制度の運用に向けた条例の一部改正案、大分県マリンカルチャーセンターの解体工事契約案、2023年度中に就航予定のホーバー旅客ターミナル新築工事契約案(2面にイメージ図を掲載)などが上程。また、県の各種関連団体の経営状況についての報告がありました。最終日の採決で、全て可決されました。

公立中学校の部活動を地域へ移行
 教職員の過度な負担や少子化による部員不足により、学校単位の部活が困難になるケースもあることなど制度の限界が顕在化していることから、文部科学省は、2023年からの3年間で、まず公立中学校の休日の部活動の運営主体を段階的に地域に移す方針を発表しています。
 この部活動の地域移行について、代表質問において県民クラブの木田 昇議員【大分市選出】が県教委の見解を尋ねました。
 岡本天津男教育長は、「各市町村教育委員会へ情報提供するとともに、検討委員会を設置し地域の実情に応じた移行のあり方を検討するよう助言している」と答えました。

全数把握の見直しと独自の仕組みを導入
 現在、大分県では、入院病床を535床、宿泊療養施設を1,370室と過去最大数を確保していると報告しています。この宿泊療養施設の活用と、自宅療養もできるだけ行っていただくことで、医療関係者の負担軽減に努めていくとのことです。
 政府はこれまでの全数把握から、把握を高齢者ら重症化リスクの高い患者だけに限定し、軽症者が自宅療養中の体調急変時に相談ができるフォローアップセンターを全都道府県に設置すると発表しました。
 大分県でも全数把握を見直し、自分で検査して陽性が判明した方や届出対象外の陽性者の方も、新たに開設する24時間体制の健康フォローアップセンターに登録をすれば、支援を受けることができるという独自の仕組みを整えていくとしています。

経常収支比率が87.1%
 自治体の財政状況を考える指標として、財政力指数・経常収支比率・県債残高・基金残高などがあります。また、実質赤字比率・連結実質赤字比率・実質公債費比率・将来負担比率は、健全な財政運営の判断基準として、北海道の夕張市の財政破綻を機に、2007(H19)年度決算から財政健全化法で公表が義務づけられています。
 その中でも、いつも私が特に注目しているのは、経常収支比率と基金残高です。経常収支比率は、財政構造の弾力性を測定する指標で、低いほど財政運営に弾力性があり、政策的に使えるお金が多くあることを示します。100%を越えると政策的な事業を行うことが難しくなり、これが続くようであれば財政危機の恐れが出てきます。
 近年、大分県の経常収支比率は表の通り95%前後で推移していましたが、8月に出た2021年度の決算報告では、なんと7.4ポイント大幅改善の87.1%と報告され、私は驚きました。
 大分市や別府市でも数値的には同様に大幅改善されています。2018年度と2019年度に続けて100%を超えた杵築市においても2020年 度 比8.8ポイント改善され85.6%と報告されています。


2022年第2回定例会行われる(2022/6/14~29)

経済的な打撃を和らげるため補正 50億4,874万円
広瀬知事「物価上昇に対し、国の対策を大いに活用し緊急避難的な事業を進める」

 2022年第2回定例会が、6月14日(火)から29日(水)にかけて開催されました。
 今回の補正額は、国の対策を受けた措置で50億4,874万円。原材料や食料品をはじめ様々のものの値上がりによる経済的な打撃を和らげるため、私立の幼児教育・保育施設や県下内各地の子ども食堂へ助成し、保護者負担を軽減します。また、燃料価格の上昇で打撃を受ける公共交通へ運行経費などを助成します。

 さらに、生活福祉資金の貸し付け事業、生活困窮者向けの小口資金(上限20万円)について、国が受付期限を8月末まで2ヶ月延長したことに対応して予算化しています。
 広瀬勝貞・大分県知事は、「物価上昇に対し、国の対策を大いに活用し、まずは緊急避難的な事業を進める。」と説明しています。

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 今定例会の一般質問でも、様々な事柄が議論されました。その中から5つのキーワードを取り上げ、考えてみたいと思います。

【生活困窮者支援】 食料品や生活必需品、電気代、ガス代、ガソリン代などありとあらゆるものが値上がりし、逆に年金が引き下げられています。本当に困ったものです。ロシアによるウクライナ侵攻、長期に及ぶ新型コロナウイルス感染症の影響、政府の金融・経済対策の不十分さなど様々な要因が重なっているのではないかと思います。
 県は、生活福祉資金の貸付などに取り組んでいますが、一般質問では県民クラブの馬場 林議員(中津市選出)が貸付後の支援について質問。馬場議員は、「貸付を繰り返すのではなく、生活の立て直しのための総合的な支援こそが必要なのではないか」と指摘しました。

【デスティネーションキャンペーン】
 JR各社が取り組む国内最大級の観光イベント「デスティネーションキャンペーン(DC)」が2024年の春、福岡県との共同開催で大分県で展開されることになりました。
 2015年に大分県で開催された際は、133億円の経済効果があったと報告されています。
 県では、「『大分・福岡連携の新たな旅の提案』、『アドベンチャーツーリズムや複数の公共交通機関をITを用いて結びつけるMaaSなど高付加価値化を促進した持続可能な観光の実現』、『県民総参加のおもてなし』を柱に官民一体となった実行委員会を立ち上げる」と説明しています。


【ツーリズムおおいた使途不明金問題】
 先日、大分県の観光振興の中心を担う公益法人ツーリズムおおいた事務局の記者会見が行われ、5,700万円の使途不明金が発生していることが公表されました。必要な手続きをせず現金が繰り返し引き出されており、会計ソフトの記録も改ざんされていたと報道されています。
 定例会での答弁では、問題判明後に立ち上げられた外部調査委員会により、通帳・銀行印の管理を含む支払い手続き等の内部管理が不十分であったことが明らかになり、大分中央署に告訴しているとのことでした。
 大分県からツーリズムおおいたへは、国内誘客総合推進事業(2022年当初予算で8千万円)やインバウンド推進事業(同1億1千万円)など、毎年、総額3億円近くの観光に関わる各種事業委託が行われていますが、事業委託分については、正常に施行されていることが県の監査で明らかになっています。
 いずれにせよ、県行政に関わる団体として、早期の全容解明が求められます。


【副学籍制度】
 医療的ケアが必要な児童についての問題に関わり、今定例会で副学籍制度が取り上げられました。
 副学籍とは、特別支援学校に通う児童生徒が、自宅近くの小中学校にも籍を置き、地域の一員として学び合う「副次的な学籍」です。この副学籍制度は、直接交流や間接交流を通じて、居住地域とのつながりの維持・継続が図れるとされています。現在、東京都や埼玉県、横浜市など6都県3政令指定都市で導入されています。
 「カリキュラムの調整」、「児童生徒の付き添い」、「学習評価」など現実的な課題もあるようですが、インクルーシブ教育注1の推進に効果があるのか、副学籍制度についてこれから調べてみようと考えています。


 注1 インクルーシブ教育とは
 「共生社会」の実現を目指し、子どもたちの多様性を尊重し、障害があるないに関わらず同様に教育・指導する仕組みです。

【インボイス制度】
 先日、広告や出版物のデザインを個人で請け負っている知人から、「インボイス制度注2が実施されたら、これまでの様な仕事ができなくなる。」との不安の声が届きました。
 来年10月から実施されるインボイス制度は、今定例会でも取り上げられました。
 この制度について、県としては「税制の公平性や透明性の確保、消費税の適正な課税を行うために必要である」とし、「その実施が中小事業者の事務負担や取引に与える影響を懸念する声があることも承知しており、制度の周知・広報や必要な支援を行っていく」との答弁でした。
 国や県による支援を注視していきます。

 注2 インボイス制度とは
 インボイス制度(適格請求書等保存方式)は来年10月から実施される消費税の申告制度で、「商品に課税されている消費税率・消費税額を請求書のなかで明記する」という「適格請求書(インボイス)方式」となり、事業者はそれに基づいて消費税を納税するものです。
 インボイス(適格請求書)には「適格請求書発行事業者の登録番号」の記載が求められ、その発行は登録事業者だけが行えるとしています。
 これまで、課税売上高が1,000万円以下の事業者は、消費税の納税義務が免除されていましたが、この制度実施後は、適格請求書発行事業者として登録すると、納税しなくてはなりません。
 登録しないと、納税義務は引き続き免除されるものの、インボイスを発行できないために、取引相手が消費税の仕入税額控除ができなくなります。その結果、取引してもらえないケースが出てくるのではないかと危惧されます。


2022年第1回定例会行われる(2022/2/24~3/25)

過去2番目となる当初予算 総額 7,178億円
広瀬知事「ポストコロナ社会の県づくりを力強く、効率的・効果的に展開」

 2月24日(木)から3月25日(金)にかけて2022年第1回定例会が行われました。会期中には予算案を集中審議する予算特別委員会も行われました。
 今回、可決された当初予算は、総額7,178億4,100万円となり、昨年度当初を151億円(2.2%)上回る過去2番目の規模となりました。これは、平松守彦・前知事時代の2000年度当初予算(7,206億円)に次ぐ大型予算で、総額が前年度を上回るのは9年連続。
 感染拡大防止に前年度当初と比べ52億の大幅増となる247億円を充てるほか、重要政策と位置づける先端技術・デジタル活用による社会変革、低迷が続く県農業の活性化に向けて農林水産業の成長産業化などの政策経費を意欲的に盛り込んでいます。

 歳入では、大幅増となった県税収入や国からの地方交付税を活用して財源を確保しています。なお、財政調整用基金の取り崩しは2021年度と同額の65億円にとどめています。
 広瀬勝貞知事は、「新型コロナへの守りを固めつつ、進展する技術革新を取り込み、ポストコロナ社会の県づくりを力強く、効率的・効果的に展開していく」と説明しています。
 コロナ禍の中にもかかわらず、県税収入は製造業・金融関係・IT関係等の業績が伸び過去最高額を見込んでの予算編成となっています。別府の基幹産業である観光飲食業などで感じる不況感とのギャップに、原田は戸惑いを感じています。


 2月28日(月)には、1月専決の報告と2月補正が提案されました。内容は、国の補正を受けて「新たなGoToトラベル」(113億円)、軽症及び無症状の方の療養のためのホテル確保や医療設備補助等の感染症対策(72億円)、大分農業文化公園等整備推進事業(8,896万円)、食肉生産流通多角化支援事業(1,333万円)などで、先議案件として3月3日(木)に可決されています。

大幅な県税収入の増に驚きました
 私はコロナ禍により県税収入は落ち込むのではないかと考えていましたが、県税収入は企業の業績回復などで法人2税と地方消費税が伸び、155億円(13.6%)増となる過去最高の1,298億円と見込んで予算編成されています。ちなみに、別府市においても市税収入は7.3%増とする予算編成となっています。
 この県税収入の増加に関し、予算特別委員会で和田雅春・総務部長に質問すると、「県内では、ホテル・旅館・飲食等の観光飲食業は厳しい状況である。他方、法人関係税収の多くを占める製造業や金融関係はコロナ禍前と変わらない業績、IT関係に至ってはコロナ禍前よりも業績を伸ばしていることもあり法人関係税収を押し上げている。その結果、県税収入全体として過去最高の見込みとなっている。」との答弁でした。
 他県の状況を調べると、例えば秋田県の前年度比14.8%増のように、大分県と同様に多くの県で、「製造業などを中心に企業業績が伸びている」「コロナ禍前の水準に回復する」として、県税の収入増となっているようです。
 しかし新潟県では、県税収入増であるものの「半導体の供給不足、原材料や原油価格の高騰による下振れリスクに注意が必要で、最終的にどうなるかは精査が必要だ」とも説明しています。大分県でもこれからの推移を注視していく必要があります。

「日米地位協定の見直しを求める意見書案」を可決
 最終日の3月25日(金)、意見書案の採決が行われ、「日米地位協定の見直しを求める意見書案」が賛成多数で可決されました。日米地位協定の見直しに関わる意見書案が可決されたのは初めてのことです。
 当初は否決される見通しでしたが、感染による欠席が影響し微差で可決しました。

2022年度の新規事業を紹介します
 分野別に特徴的な
新規事業を紹介します。なお、赤字は社会経済の再活性化や大分県版地方創生を進める予算特別枠「ポストコロナおおいた挑戦枠事業」(109事業・23億5,100万円)。緑字は県下6カ所ある振興局枠「地域課題対応枠事業」(8つの新規事業を含め19事業・7,085万円)です。地域課題対応枠事業は3年を目安として事業展開されます。黒字は継続事業です。         ( )は予算額
【福祉】
 大きな社会問題となっているヤングケアラーなど支援を必要とする子どもや児童虐待のおそれのある家庭を早期に発見し、適切な支援に繋げるため、見守り・相談体制の構築のほか周知・啓発等に取り組む
ヤングケアラー等支援体制強化事業(1,840万円)を予算化。
 昨年10月に県内の小5~高3までの全児童生徒の約8万人にアンケート調査したところ、2,315名が「世話をしている家族がいる」と答え、うち724名が「世話をしているために勉強や自分の時間が取れない」と答えています。
 オンライン診療推進事業(1,230万円)は、地域の実情に応じたオンライン診療を推進するため、オンライン診療対応医療機関を見える化し、在宅医療現場での実装を進め、国東市国見町と竹田市久住町で実証を行います。
【教育・人材育成】
 支援学校施設整備事業(11億4,048万円)では、第三次大分県特別支援教育推進計画に基づいて施設整備が進められていますが、この中に別府地区の特別支援学校の改修基本設計に関わる予算がさっそく計上されました。
 工業系高校において推地域とつなぐ技術人材育成事業(3,008万円)、商業系高校において大分の未来を担うビジネスリーダー養成事業(1,594万円)、福祉系高校において地域を支える福祉人材育成事業(222万円)など、それぞれの高校の特色に応じた人材育成事業が予算化されています。
【感染対策】
 感染症発生時等の感染対応力を強化するため、感染対応力強化推進事業(670万円)では、医療機関や施設職員等に対する研修を実施するとともに、感染管理認定看護師(大分県には現在35名)の資格取得を支援します。
防災】
 1月22日(土)未明の日向灘地震では、お怪我や被害はなかったでしょうか?おおいた防災・減災対策推進事業(1億5,000万円)は、災害に強い人づくり・地域づくりを推進するため、市町村などが設置する避難所の環境改善や地域の防災活動等へ助成します。
 災害危険度の把握が可能なプラットフォーム「EDiSON(エジソン)」の試行活用や検証等を行う先端技術を活用した企業防災力向上事業(1,050万円)は、県内企業の防災力向上を目的に、AIが災害を予知する仕組みを作ります。
 田んぼダム流域実証事業(1,000万円)は、流域治水プロジェクトに取り組む地域で、大雨時に水田に水を貯める「田んぼダム」の洪水調節機能の実証を行います。宮城県の実証実験では、大雨時にピーク流量(最大排水量)を60%~70%抑制できたそうです。
【DX(デジタルトランスフォーメーション)
 進化したIT技術を浸透させることで、生活をより良いものへと変革させるDXの分野では、おおいたDX共創促進事業(1億3,351万円)を予算化。民間事業者等のDXを推進。DXに取り組む事業者と支援する企業を繋ぐパートナーシップの形成やモデル事例の創出に向けた伴走支援等を進めます。
 建設産業においても生産性向上を図るため、ICT(情報通信技術)施工に取り組む建設業者に対し支援するほか、県発注工事においてカメラ映像を利用した遠隔臨場等に取り組む建設産業DX推進事業(2,679万円)を進めます。
【文化・地域活性】
 中国温州市・済南市、韓国慶州市と連携し、文化を通じた交流による東アジアの新たな未来を切り拓く
東アジア文化都市2022大分県開催事業(3億5,176万円)を開催し、多様な芸術文化イベントを実施・発信するほか、芸術文化団体による都市間交流等を行います。
 2023年10月に日田市で開催予定のツール・ド・九州2023の大分ステージの準備を進めるツール・ド・九州推進事業(3,205万円)は、サイクルスポーツの普及拡大とサイクルツーリズムを通じた地域活性化を図ります。
 大分の食文化を持続可能性の視点で再評価するサステナブル・ガストロノミー(持続可能な食文化)促進事業(545万円)
【中部振興局】は、観光資源としても活かせそうです。
【観光】
 2月補正として可決された「新たなGo To トラベル」事業を進める他、宿泊事業者の経営力向上や課題解決を促進するため、デジタルデータの活用によるマーケティング支援等を進める宿泊事業者デジタル活用促進事業(1,378万円)に取り組みます。
 また、
観光農業連携地域活性化事業(490万円)【豊肥振興局】、人気の高い自然体験型の観光コンテンツを進める個人客向け体験型滞在観光促進事業(544万円)【西部振興局】を展開します。
【生活環境・交通】
 空き家対策促進事業(9,260万円)は、空き家の適切な管理と利活用を促進するため、所有者や利活用者に応じた総合的な対策を実施します。県の調査では県内に約48,700戸の空き家があるとのことです。空き家率は8.6%で全国17位となっています。
 2023年度中のホーバー就航に向けた大分空港を起点としたMaaS実証事業(1,000万円)は、一つのアプリ上で多様な交通手段が検索・予約・決算できる仕組みMaaS(マース)アプリを利用する取り組みです。
【移住・雇用創出】
 大分県には5年連続で1,000名以上の方が移住されています。県が市町村を通して行う移住者居住支援事業に引き続き取り組むとともに、
姫島ITアイランドを活用したワーケーション促進事業(499万円)【東部振興局】県北地域外国人労働者就業環境等整備促進事業(500万円)【北部振興局】なども行います。
【農林水産】
 白ねぎなど大分県の顔となる園芸品目の育成を図るため
おおいた園芸産地づくり支援事業(20億6,676万円)は、「生産拡大計画」を進め、まだ県内にはない100億円規模の園芸の創出を目指すとのことです。写真の味一ねぎは、60~70億円規模だそうです。
 
新規農業者経営発展支援事業(2億7,375万円)は、新規就農者や5年以内に経営を継承する親元就農者の早期の経営確立を図るために、機械・施設の導入等を支援します。
 
谷ごと栗団地育成産地強化対策事業(175万円)【豊肥振興局】庄内梨魅力アップ事業(243万円)【中部振興局】佐伯地区シングルシードカキ養殖業育成支援事業(510万円)【南部振興局】など各振興局でも、地域の特性に応じた事業に取り組みます。


2021年第4回定例会行われる(2021/11/24~12/10)

広瀬知事「感染拡大防止対策と経済活動の回復、災害に強い強靱な県土づくり」
 
11月24日(水)から12月10日(金)にかけて2021年大分県議会第4回定例会が行われました。
 本会議では、国東市にある本年度で閉校する国東高双国校に関する県立学校設置条例一部改正案、国道194号の4車線化に伴う大分市西鶴崎の乙津橋の下流側に新設する橋に上部工を架ける工事請負契約の締結案、竹田市の玉来川に建設中の玉来ダムでの追加漏水対策の工事請負契約変更案など11議案が上程されました。


  また、新たな変異株「オミクロン株」の感染拡大が世界各地で起きつつある中、12月1日(水)から県内でも3回目のワクチン接種が始まりました。
 過去最大の感染規模となった第5波の検証結果を踏まえ、入院病床や宿泊療養施設をあらかじめ確保するとともに、健康上の理由等によりワクチン接種できない方へPCR検査等の無料実施を始めました。提案理由説明で広瀬知事は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が落ち着いてきた状況に関して、「目先の危機が遠のいた今こそ、これまでの対策を検証し、得られた知見や反省点を今後に生かしていくことが大事」と述べました。
 12月1日(水)には、補正額455億1,139万円の本年度一般会計補正案が上程されました。既決予算と合わせた累計は7,801億9,451万円となります。
 国の補正を受け入れ、国土強靱化対策に267億円。保育士・介護職の方々の処遇改善としての経費を助成するため30億円。プレミアム付き商品券の発行事業に当たる市町村に補助として24億円。3回目の新型コロナワクチン接種の体制強化として10億円を計上。その他、観光需要喚起のための事業費、地域公共交通の運行継続を目的に、バス・タクシーの台数に応じて維持管理費の助成などが提案され、最終日に可決されました。
 12月2日(木)の10時から私も一般質問に登壇しました。


原田、一般質問に登壇

 1.2022年度の予算編成について
(1)予算編成方針について
(2)県債について
 今年度当初予算は前年度に比べ7.3%増の「積極型予算」で、前年度を上回るのは8年連続。当初予算が7千億円を超えるのは実に20年ぶりで、これは、防災・減災や人口減少など従来の課題に加え、新型コロナウイルス感染症対策と経済の再活性化に取り組むためとのことでした。
 歳入面でも、政府は自治体が借金をして国が実質的に返済する臨時財政対策債の発行可能額の増額を認めるなど、2021年度の当初予算編成は財源構成がこれまでとは大きく違っていました。
 そこで、来年度予算編成の基本方針、とりわけ歳入部分の編成をどのように考えて取り組むのか質問しました。
(知事答弁)
 通常予算で重要となるのは一般財源総額の確保である。コロナ禍で大幅な減収が心配された県税収入は、今のところ堅調に確保できる見通しだが、今後の情勢の変化も注視しながら、的確に見積もっていく必要がある。
 年末に示される国の地方財政対策を踏まえ、慎重に見込みを立て、編成を進めていきたい。


 2.日本一のおんせん県おおいたツーリズム戦略について
(1)ツーリズム戦略の改定について
(2)感染症のリスクマネジメントについて
(3)「GoToトラベル」の再開に向けた情報発信の進め方について
 地域振興と観光振興を一体的に進めるツーリズムを着実に進展させることを目的として策定された第3期ツーリズム戦略ですが、今年度で終了します。
 現在、新型コロナウイルスの感染状況も落ち着きを見せ始めていますが、まず、この第3期の取り組みをどのように総括し、第4期となる来年度からの取り組みを進める上で、どのようにツーリズム戦略に反映をしていくのか質問しました。
 また、リスクマネジメントはとても大事な視点です。危機状態に対し、機敏に対処することが観光地のブランドイメージを守ることにもつながるからです。
 今回、これまでのツーリズム戦略で触れられていなかった危機状況として、「感染症」をどのように位置づけるのかを尋ねました。
(知事答弁)
 昨年11月26日(「いい風呂の日」だそうです)に発表された「全国温泉県イメージランキング」で、本県が第1位に選定された。これからも新たな魅力の発掘、観光産業の一層の基盤強化や効果的な情報発信を推し進め、大規模観光キャンペーンの誘致など攻めの誘客を展開したい。
 感染症等の危機に大きく影響を受ける観光産業のリスクマネジメントの重要性を再認識した。リスクを平常時から想定し、発生時の影響を最小限に抑え、早期回復できるよう準備する必要がある。今後、観光関係者や有識者の意見を踏まえ、より適切なリスクマネジメントのあり方を検討したい。


 3.教育行政について
(1)教員の不足について
(2)教員の働き方改革について
(3)第3次大分県特別支援教育推進計画について
 教員の不足、とりわけ県下の小中学校での教員の不足は近年、とても大きな問題となっています。今年度初めの文教警察委員会では、昨年の4月8日の始業式時点で小学校11名、中学校21名の計32名が欠員となっているとの報告を受けました。ちなみに、一昨年は始業式の時点で26名の欠員でした。
 始業式直前まで来てくれる人を学校みんなで探すのが恒例となっている状況です。教育事務所に相談しても「学校で探してください」と言われると聞いています。
 このような教員不足の現状と対策を尋ねるとともに、大分県教育委員会で教員不足に関する対策チームを作り、解決策を探っていくべきだと提案しました。
 また、「第3次大分県特別支援教育推進計画」について、内容とこれからのスケジュールを質問しました。
(教育長答弁)
 新聞や広報誌、HP等などに臨時講師登録の呼びかけや採用試験受験者に募集チラシを配布するなど、臨時講師の確保に向けた取り組みを行ってきた。引き続き、人材確保に向け、最大限対応していきたい。
 採用試験では、小中学校連携教諭を拡充するとともに、実技試験の見直しや第3次試験の集団討論の廃止など、受験者の負担軽減を図ることとした。

 残念ながら、教員不足について教育委員会は危機感を持っているのだろうかと感じた答弁でした。教職に就くと申請できた「奨学金返済免除制度」の復活等の具体的な対策が必要だと思います。

 4.ダイバーシティについて
(1)ダイバーシティ社会の推進について
(2)パートナーシップ制度について
(3)県立高校の帰国・外国人生徒特別入学者選抜について
 人には、多くの違いがあります。生まれつきのものや自分の意思で変えることが困難なものとして、性別、年齢、人種・民族、出身地、国籍、身体的特徴といった違いがあります。さらに、内面的な違いとして、宗教、職務経験、収入、働き方、コミュニケーションスタイルなどがあります。
 その違いを個性として捉え、認め合う社会にしていこうというのがダイバーシティ社会の考えです。
近年企業ではダイバーシティに対する意識が高まっていますが、自治体においても、住民誰もが個性と能力を発揮でき、住みやすくて働きやすい環境があれば、それが地域の活力につながりますし、住民の定着も期待できるのではないでしょうか。
 ダイバーシティ社会の推進は不可欠だと考え、大分県としての姿勢を、また全国で拡大している同性婚の方々のパートナーシップ制度やそれに伴うファミリーシップ制度の導入について質問しました。
 さらに別府市にある県立翔青高校で実施されている帰国・外国人生徒特別入学者選抜について、実施校の拡大と、多言語対応、当該学校への教職員の増員の必要性を伝えました。
(部長・教育長答弁)
 ダイバーシティ社会づくりを進める県の姿勢を一層明らかにするため、現在、「人権尊重社会づくり推進条例」の改正を検討中である。
 高校入試における多言語対応は、入学後の学習保障にも関わる問題であり、学校の体制強化とセットで進めていく必要がある。他県の入試の状況、本県の日本語指導が必要な児童生徒数の推移等も鑑み、研究を重ねたい。
県議会では、今定例会から手話通訳が始まりました



2021年第3回定例会行われる(2021/9/8~28)

広瀬知事「医療提供体制の維持にできる限りの対策、広域多岐にわたる社会経済支援策を用意」
 9月8日(水)から28日(火)にかけて2021年第3回定例会が行われました。
 今回、最低賃金の引き上げに対応する中小企業への支援などを盛り込んだ51億3,159万円の一般会計補正予算案など計28議案が上程されました。さらに14日(火)には、時短要請を2週間延長するための協力金23億円の補正案が追加上程されました。
 その他、大分空港と大分市を結ぶ海上交通となるホーバークラフト3隻の取得(予定額41億6,486万円)、公衆浴場の混浴制限年齢を6歳までに引き下げる公衆浴場法施行条例の一部改正、佐伯市にある大分県マリンカルチャーセンターの廃止などが上程されました。
 広瀬勝貞知事は提案理由説明で、新型コロナウイルス感染症の第5波に触れ、「医療提供体制の維持にできる限りの対策に取り組む」と述べるとともに、深刻な打撃を受けた社会・経済活動の再生に向け、「広域多岐にわたる支援策を用意しており、引き続き目詰まりなく迅速・着実に執行していく」と説明しました。
 最終日の28日(火)に、原案通り全て可決されました。

 今定例会で、県民クラブを代表して代表質問に登壇した馬場 林議員(中津市選出)の質問から2点を紹介します。

静岡県の土石流災害対策検討
委員会資料から引用しました
大規模土石流の発生を受けての調査、大分県では‥
 今年7月に静岡県熱海市で大規模土石流が発生し、多くの人や家屋・車などが巻き込まれました。報道によると、静岡県は、「違法な盛土が災害の原因」としています。
 この大規模土石流の発生を受けて、本県でも緊急調査が行われました。土木建築部長からは、「土砂災害警戒区域及び山地災害危険地区の内、人家が5戸以上ある箇所の上流部を対象に調査を進めた結果、395か所で最大10万㎡の盛土があったが、異常はなく、産業廃棄物等も混ざっておらず、行政指導が必要なものはなかった。」との答弁でした。

全国に公立夜間中学校の設置、大分県では‥
 公立の夜間学級、いわゆる「夜間中学校」は、戦後の混乱期に学べなかった人たちの
ために昭和20年代に設けられていました。
 最近では、不登校や家庭の事情等で義務教育を受けられなかった人や外国籍の人など、様々な方の学びを保障する機関として、その役割への期待が高まっています。今年1月には、衆議院予算委員会において、菅総理は、「今後5年間で全ての都道府県・指定都市に夜間中学校を少なくとも1つ設置することを目指す」と述べています。
 現在、公立夜間中学校は12都道府県に36校。多くは東京や大阪に集中しており、九州・山口・沖縄はありませんでしたが、福岡市では来春開校と9月議会で決まりました。
 県教育長は、「『夜間中学検討会議』で複数回アンケートを実施したが、入学対象者と思われる方はごく少数。引き続き、他県の動向も注視し、市町村と協議しながら検討していきたい。」と答弁しました。


2021年第2回定例会行われる(2021/6/15~30)

ワクチン接種を加速、ホーバー調達費、「さくらの杜高等支援学校」を来春開校
 6月15日(火)から30日(水)にかけて、2021年第2回定例会が行われました。今定例会では、開会日初日に補正追加分として、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種を担う医療機関への支援策や、生活福祉資金の原資拡充などを盛り込んだ補正額19億2,500万円の補正案を先行審議し、原案通り可決しました。
 最終日には、18億9,287万円と最終日に緊急提案された25億6千万円の補正を可決しました。内容は、大分空港(国東市)と大分市を結ぶホーバークラフトの調達費や関連事業費などです。船体は約42億円を上限に3隻を導入する方針で、船体の調達費は年度をまたぐ支出となるため残額は債務負担行為(注1)を設定しました。さらに、大分市側のホーバー発着地整備に向け、大分港西大分地区の民有地を取得します。
 また、来年4月に現在の聾学校(大分市東大道)の敷地内に、産業技術専門で、一般就労を目指す知的障がいがある生徒を受け入れる高等特別支援学校の名称を「さくらの杜(もり)高等支援学校」と決定しました。

(注1)予算は単一年度で完結するのが原則ですが、1つの事業や事務が単年度で終了せずに後の年度においても「負担=支出」をしなければならない場合には、あらかじめ後の年度の債務を約束することを予算で決めておきます。これを債務負担行為といいます。
国会は、選択的夫婦別姓制度の導入に向けた議論を
 民法では結婚にあたり、「夫または妻の氏を称する」と定めていますが、実際に姓を変更しているのは96%が女性であり、職場や日常生活での不利益や負担が著しく偏っています。そのような中で、日本は夫婦同姓を法律(民法及び戸籍法)で強制する唯一の国として、国連の女性差別撤廃委員会より再三勧告を受けています。
 残念ながら、先日の最高裁判決は、再び夫婦同姓を合憲とする判断が示されました。しかしながら、判決文には「この種の制度のあり方は国会で論ぜられ判断されるべき」とも述べられています。
 今回、県民クラブでは価値観や家庭の多様化を尊重し、選択的夫婦別姓制度を推進していきたいと考え、「選択的夫婦別姓制度の導入に向けた議論の促進を求める意見書(案)」を提出しました。採決では、僅差で採択されませんでしたが、諦めずに取り組んでいきたいと考えています。
  県民クラブを代表して、意見書案を提案しました


2021年第1回臨時会行われる(2021/6/31)

59億円の補正予算、ワクチン接種対策強化や対策認証制度創設
 5月31日(月)、2021年第1回臨時会が新型コロナウイルス対策を計上した本年度一般会計補正予算案が提案され、審議の結果、全て可決されました。
 補正額は59億5,765万5千円。内容を報告しますと、高齢者へのワクチン接種を7月末までに完了させるため、市町村と連携し、医療従事者のさらなる確保、個別接種会場の休日開設や集団接種会場の追加など接種体制の強化に取り組むほか、休日に集団接種会場に医師等を派遣した医療機関への助成として「ワクチン接種体制緊急強化事業」(2億3,200万円)を進めます
 「中小企業・小規模事業者事業継続支援金給付事業」(21億9,534万円)は、不要不急の外出自粛や飲食店の営業時間短縮等の影響を受けている中小企業・小規模事業者の事業継続を支援するため、売上が大きく減少している事業者に対し、支援金を給付するものです。
 「宿泊施設受入環境整備緊急支援事業」(20億8,450万円)では、今後の誘客に向けて受入環境の整備に取り組む宿泊事業者を支援するため、感染症対策機器の導入、施設改修、通信環境整備等に要する経費に対し助成します。
 飲食店における感染症の拡大を防止するため、第三者による認証制度を創設するとともに、飲食店が行う設備導入に要する経費に対して助成する「安心はおいしいプラス」認証制度推進事業」(12億8,477万円)は、政府が推奨するいわゆる゛山梨モデル゛を大分県にも導入するものです。
 さらに、芸術文化活動継続緊急支援事業(3,000万円)で、感染状況がステージ3以上の期間に芸術文化イベントを中止・延期した団体には、キャンセル費用として最大300万円を助成することになりました。

保育士、幼稚園、小・中・支援学校の教職員を優先接種に
 学校でクラスター(感染者集団)発生が相次いだため、全ての保育士、幼稚園・小・中・支援学校の教職員、保育士ら約1万4千人をワクチン優先接種の対象に加えることが26日に開催された県の感染症対策本部会議で決定されました。マスクの着用がうまくできていない幼児やワクチン接種対象年齢となっていない児童への対策として、教職員のワクチン接種を優先させていくとしています。
 県は高齢者向けの接種にめどが立ち次第、基礎疾患がある人や介護従事者などと並行し、7月中旬から始める方針。夏休み中に2回目まで完了するよう、進め方を市町村と検討するとしています。
 今回、高校の教職員は優先接種となっていないことに関して、26日に開催された文教警察委員会では高校教職員も優先接種対象とすべきではないかとの意見も出されました。



2021年第1回定例会行われる(2021/2/25~3/26)

7千億円を超える広瀬県政最大規模の当初予算案
 2月25日(金)、2021年度第1回定例会が開会し、3月26日(金)に閉会しました。

 本会議で上程された2021年度当初予算案の総額は7,027億3,100万円で、当初予算案が7千億円を超えるのは平松守彦前知事時代以来20年ぶりになります。
 2020年度当初予算と比べて7・3%増の「積極型予算」で、前年度を上回るのは8年連続。防災・減災や人口減少など従来の課題に加え、新型コロナウイルス感染症防止対策と打撃を受けた経済の再活性化対策に取り組むことにより予算規模が膨らんでいます。
 報道関係者の記者会見で広瀬勝貞知事は、「多くの政策に取り組まなければならない状況だ。新型コロナ対策や豪雨災害を乗り越え、安心・活力・発展の大分県づくりを進める。」と述べています。
 会期中には当初予算案を集中審議する予算特別委員会も開催され、閉会日の採決で可決されました。
 また、正副議長の選出、常任委員会や議会運営委員会の委員選出も行われ、私は文教警察委員会に所属することになりました。
 写真 予算特別委員会では、アクリル板が設置された自席から質問します【庁内放送より

県税の大幅な減収を補うために
 歳入は景気悪化に伴い、県税収入を前年度比10・7%減の1,143億円と見込み、地方交付税は前年度比4・1%増の1,790億円、国庫支出金は前年度比16・6%増の1,257億6千万円を充てています。
 これは、政府がコロナ感染症対応を最優先と位置づけ財政再建を棚上げし、地方に対しても地方交付税を増やしたことによるものです。さらに、政府は自治体が借金をして国が実質的に返済する臨時財政対策債
(注1)の発行可能額の増額を認めたことから、県はこの臨財債を67%増の332億円を発行。県債残高は1兆1,010億円に達しています。臨財債を除く実質残高は行財政改革推進計画の目標(6,500億円以下)を維持しているものの6,326億円になっています。
 また、貯金にあたる財政調整用基金も65億円取り崩しています。財政調整用基金の2021年度末残高は305億円と予想され、残高目標とする330億円の確保は引き続き大きな課題です。
 予算案の具体的内容については、私なりに整理して後日、報告いたします。

注1 国から地方自治体に交付する地方交付税の原資不足のため、不足分の一部を地方自治体が借り入れする地方債のこと。臨財債の元利償還金相当額は、その全額を後年度の普通交付税で措置されることになっています。
45億5千万円の専決処分を実施
 中小・小規模事業者などに対する更なる支援など、追加して緊急的に対応する政策が必要として、2月12日(金)に45億4,922万円の補正予算の専決処分が行われました。財源は全て国からの交付金です。
 内容を見ると、事業の継続、雇用の維持や感染症対策に取り組む県内の法人や個人事業者に給付する応援金を増額するとともに、給付済みの者に追加給付する中小企業・小規模事業者応援金給付事業(34億9,700万円)
 観光産業は大分県にとっても大事な活力ですが、宿泊者数は対前年比45.8%減となっています。そこで、GoToトラベル事業の延期等の影響を受けた観光関連産業を支援するため、県内向けの誘客対策として観光誘客緊急対策事業(2億500万円)を実施。
さらに、感染症が拡大する中で結婚式をするかどうか迷っている方々を後押しするため、ガイドラインに基づく感染防止策を講じた安全な結婚式・披露宴を開催する県内在住の夫婦に対し新型コロナ対応ウエディング応援事業(2億2,000万円)を新規事業として2021年1月にさかのぼって助成します。
517億円の補正予算案を可決
 3月5日(金)には補正予算案の採決が行われ、では、約363億円の国土強靱化の公共事業を含む国の約517億円の補正を受け入れた事業案を可決。これで2020年度末の累計は、不用額や節約等の差し引きで約60億円増の7,862億9,895万円となりました。
最終日にも38億4千万円の補正予算案を可決
 最終日の3月26日(金
)には、新型コロナウイルス感染症拡大にともなう支援策として生活福祉資金貸付事業(38億円)、子育て負担の増加や収入の減少が生じている低所得のひとり親世帯を支援するため児童1人当たり5万円の特別給付金を支給する児童扶養手当給付費(4,070万円)が追加提案され可決しました。

2021年度の新規事業を紹介
【感染拡大防止対策】
まず、感染症患者の病床の確保や無症状や軽症の患者が療養する宿泊施設及び常駐する医療従事者等を確保する
新型コロナウイルス感染症療養体制確保事業(166億円3,072万円)に力を入れています。また、新型コロナウイルス感染症対策事業(12億4,128万円)ではPCR検査等の拡充や県民からの受診相談等に対応するコールセンター設置を進めます。
 社会福祉施設等新型コロナウイルス感染対策支援事業(5億170万円)は、社会福祉施設等へ感染対策に要する経費の助成をします。
【土木建築・防災】
 地震・津波・高潮対策調査事業(8,200万円)は、県管理海岸・河川との一体的整備による防護機能強化に向けた調査等を実施。
 中小河川等洪水時避難行動支援事業(6,000万円)は、避難行動を支援するため、過去に浸水被害のあった中小河川等について、市町村が行う洪水ハザードマップの作成に要する経費に対し助成するものです。
【観光・地域活性】
 ニーズが高まりつつあるワーケーションを促進するため、周辺の観光施設等と連携したプランを進める県内宿泊事業者の通信環境整備等を支援する宿泊施設ワーケーション環境整備支援事業(3,036万円)は1施設当たり上限100万円を助成します。
 芸術文化施設を拠点とした観光循環創出事業(6,125万円)は、観光客が様々な芸術文化施設やイベント開催地を往来し、地域を活性化する好循環を創出するため、県立美術館を中核としたカルチャーツーリズムを展開。
 振興局からは、佐伯市宇目地域の情報発信などを展開する宇目地域ブランディング事業(357万円)【南部振興局】をはじめ、食観光魅力発信事業(499万円)【豊肥振興局】西部地域そとあそびスポット周遊促進事業(499万円)【西部振興局】新しい生活様式に対応した農泊実証事業(494万円)【北部振興局】など観光に関わる事業が計上されています。
【商工・技術革新】
 昨年、航空機を利用した小型衛星の打ち上げ事業を手掛ける米企業の拠点「スペースポート(宇宙港)」に、大分空港がアジアで初めて選ばれました。スペースポート推進事業(1億7,150万円)スペースポート受入環境整備事業(499万円)【東部振興局】では、運用方法や経済循環の創出に関する調査等を実施するほか、隣接地に整備する展望エリアの設計を行います。宇宙港により、この先どのように経済効果や雇用創出が広がっていくのか注視しています。
 先日、別府市内の知り合いのケーキ屋さんから「うちはネット通販が店頭販売を上回っている」とお聞きし驚きました。県産品の販売を促進するため、県産品取扱店等と連携した販売促進事業(800万円)は、おんせん県おおいた応援店の登録店舗拡大と公式オンラインショップの利用促進を進めます。
【農林水産】
 今回、農林水産関係は多くの新規事業が組まれています。次代へ繋ぐ園芸産地整備事業(21億1,388万円)は、認定新規就農者、親元就農者等による栽培施設の整備や後継者不在施設を継承する際の改修等に要する経費に対し助成するものです。
 県内の住宅需要等を喚起し、県産材消費を拡大するため、木材消費拡大対策事業(3億5,770万円)では、県産材を使用した住宅等を建築する県民に経費等を支援します。
 移住促進とも連携し、農業活性化・スタートアップ圃場設置事業(3,100万円)は、移住後速やかな就農や兼業での就農を希望する方など多様な担い手を確保・育成するため、リース方式の圃場を整備します。
【移住促進・雇用創出】
 スキルアップ移住推進事業(2,412万円)では、求人が堅調なIT分野への就職・転職による移住を促進するため、dot.(4ページに報告)を活用したイベントを開催するとともに、IT技術の取得講座等を実施します。
 感染症拡大の影響による離職者の再就職支援として、新型コロナ対応離職者再就職支援事業(1,257万円)では、大分労働局等と連携し合同企業説明会の開催や支援コーディネーターの配置など、人材が不足している分野への転職等を支援します。
【福祉】
 SNS子育て相談体制整備事業(1,358万円)は、子育て家庭が気軽に相談できる体制の充実を図るため、24時間年中無休で受け付ける「いつでも子育てほっとライン」にLINEを活用した相談機能を追加します。発達障がい児の早期発見・早期支援では、相談支援や支援先の受入調整等を行うコンシェルジュを各圏域に配置するとともに、相談・診療ができる小児科医などの養成等に取り組む発達障がい児地域支援体制整備事業(3,918万円)を進めます。
【生活環境・防犯】
 行政手続電子化加速事業(1,641万円)は、県民の利便性向上及び行政運営の効率化を図るため、行政手続の電子化を推進するとともに、電子申請の利用促進に取り組みます。
 コロナ禍で利用者が減少している交通機関の早期利用回復を図るため、各交通事業者の特性を生かした商品作りを支援する公共交通活性化促進事業(1億8,916万円)を計上。
 地域見守り力向上事業(870万円)では、自主防犯パトロール隊や自治会等による地域の見守り力向上の取り組みを支援します。
【教育】
 未来を創るGIGAスクール推進事業(1,808万円)は、小・中学校でのICT活用による授業改善等を推進するものです。
 コロナ禍における児童生徒の学びの保障と安全で安心な学習環境を確保するため、教員業務サポートスタッフ等派遣事業(8億6,581万円)は、きめ細かな指導を行う学習指導員及び消毒等の事務作業を支援するスクールサポートスタッフを配置します。
 通学時にスクールバスを利用する特別支援学校児童生徒の感染リスクの低減を図るため、スクールバスの臨時増便を行う特別支援学校通学時感染防止対策事業(1億8,652万円)も計上されています。
 2018年度から進められている子どもの居場所づくり推進事業(1,334万円)では、子ども食堂の新規立ち上げ支援に加え、新たにモデル小・中学校での朝食の定期的な無料提供の実施を追加。しかし、学校での朝食提供は教職員に負担をかけますし、朝食を欠く子どもたちへ、パンと牛乳のような簡単な朝食を自ら準備できるように支援することが重要ではないかと予算特別委員会で意見を述べました。


2020年第4回定例会行われる(2020/11/25~12/11)

 11月25日、2020年第4回定例会が開会し、12月11日(金)に閉会しました。
 今定例会では、補正予算として、大分空港と大分市中心部を結ぶホーバークラフトの導入経費に充てる本年度一般会計補正予算案(補正額2億8,334万1千円・累計7,757億763万4千円)が提案されました。
 予算案は全額がホーバー復活に関するもので、運航事業者の第一交通産業(本社・北九州市)と協議して船体の仕様書を作成するというものです。予算案可決後、大分市西大分地区など発着地の整備に向けた測量、調査、設計に入るとしています。財源は県有施設整備等基金を充当します。
 この他、防災・減災対策などの公共工事を進めるため、債務負担行為として計50億円の設定を提案。河床掘削、河川の護岸強化、斜面の崩落対策など計23事業に充てます。
 本年度中に工事の入札・契約を終え、新年度の
早い時期に工事に着手できるようにするものです。これらの事業は、いずれも新年度当初予算案に計上する方針とのことです。
 予算外議案については、大分県自転車安全適正利用促進条例制定案が上程されました。これは自転車の安全上の措置や保険加入について定め、事故防止と被害者保護を図るものです。
 最終日の12月11日(金)に採決が行われ、原案通り可決されました。また、県民クラブが提出した「すべての子どもに豊かな学びを保障するために少人数学級の実現等を求める意見書」案が全会一致で可決されました。

 今定例会の開会冒頭、10月に御逝去された濱田 洋議員(自由民主党・九重町玖珠町選出)に対し、議員団を代表して馬場 林議員(県民クラブ・中津市選出)から追悼演説が行われました。
 私は教職員として玖珠郡で勤務していたことから濱田県議とは共通の知人も多く、とても親切にしていただきました。また、今年度は土木建築委員会で一緒でした。衷心より哀悼の意を表します。
新型コロナウイルス感染症の現状と課題
 今定例会でも新型コロナウイルス感染症の問題は大きく取り上げられました。議会の質疑から見えた新型コロナウイルス感染症に関する現状と課題について、まとめてみました。

 上のグラフの通り、感染拡大は第3波で、11月中旬から多い日には10人を超える新規感染者が出ています。グラフから、波がだんだん大きくなり、感染経路不明者の割合が高くなっていることがわかります。
 現在、県では医療体制の逼迫を避けるために、一日に最大762件のPCR検査、診療可能な医療機関も512施設となりました。
 また、無症状の感染者も6ヶ所のホテルに700人分の部屋を確保しています。
 課題は個人や事業所での感染防止対策の充実、感染拡大長期化に伴う支援策、これから実施されるであろうワクチン接種の実施体制(先日、国会でワクチン接種の無償化が決定)、コロナ禍後の経済回復対策等だと考えます。

ホーバークラフトの復活と課題
 ホーバークラフト導入に関し、第一交通産業の提案は、大分市側の発着地を大分港西大分地区としています。予備1隻含む3隻体制で1日18往復。運賃は片道1500円を想定し、往復割引も検討するとしています。全座席にタブレット端末を備え、乗り継ぎや観光情報を乗客に提供。2023年度中の運航開始に向けてホーバー復活計画が本格的に動きだしました。
 県の計画では、ホーバーの旅客定員は80人程度。最短約25分で空港と大分市を結ぶもので、船舶の購入、発着地や無料駐車場(500台程度)の整備は県が受け持ち、負担額は現状で75億~85億円程度を見込んでいます。

 ホーバークラフトの導入については、荒天時の運転に弱いという問題、過去に民間事業者が運航を取りやめた経緯があるだけに路線を維持できるかという問題、空港と大分市を結ぶバス(エアライナー)の乗客の減少の問題など様々な課題もあります。
 とりわけ、一番の問題は騒音。近隣にあるライブハウスや結婚式場等の方々から不安の声も聞こえます。問題の解消に向けての取り組みを注視しています。
写真は、2009(平成21)年まで運行されていたホーバークラフト



大分県議会議員
 原田たかし

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